現代日本の呼吸事情
このコーナーをお読みの方で、呼吸をしない人はいないと思います。
それ以外の、このコーナーを読んでいない大多数の人々もまた、このコーナーを読んでいる皆さんと同様に呼吸をしています。
ですから、このコーナーを読んでいようがいまいが、読んだ事によって「リーダーいいこと言うなあ」「リーダー素敵」と思っていようがいまいが、呼吸をしているという点についてだけは人類皆平等なのです。
私は以前、"呼吸法は俳優の訓練としては明らかに応用編"と書きました。四股などの"自然体づくり"が充分に習い性になってから取り上げるべきだと考えていたのです。
しかし最近、ある演劇を観ているときに、俳優さんたちのほとんどが、日常生活で必要とされるよりも浅い呼吸をしていることに気づいたのです。
理由ははっきりしません。もしかしたら稽古の進行状況などの要素が俳優さんたちに心理的な圧迫を与えていた(演劇においては良くあることです)のかもしれませんし、もしかしたら都会生活における何らかの要素、たとえば人いきれの中で常に生活しているとか、滅多に地平線を見ないことなどが、日常的に息をつめてしまっている原因になっているのかもしれません。
茨城県古河市という郊外の、さらに合併前には古河市ですらなかった辺境に住む私(人になんか滅多に会いませんし、地平線なんか毎日見ます)は、これまで環境によって呼吸事情にも違いがある可能性を考慮できていなかったのです。
またやはり、演劇訓練における、発声や活舌にまつわる齟齬も気になるところです。
結果的には発声や活舌は重要ですし、練習として判りやすいのでどうしても最重要と捉えがちになってしまうのですが、発声や活舌がいい、というのはお客さんの側から判断されるもので、良くするのはあくまで目的です。
目的としては大切なのですが、それが手段だと勘違いされてしまっている。
発声や活舌の練習を重ねれば即発声や活舌が良くなるわけではないのです。
この齟齬は、主に呼吸の理解に対する認識不足から来ているものと感じます。
つまり、
38、発声や活舌をするには呼吸が必要であり、当然良い呼吸があれば良い発声や活舌への下支えになる
ことが俳優の皆さんに広まっていないことから来ているのだと思います。
以上のような理由により、来週から呼吸法を取り上げていくこととしました。
とりあえず今週の皆さんは、
3秒で息を吸い、2秒キープし、15秒で吐く
これをやってみてください。出来れば5〜6回1セットで。
吸うのは鼻から。吐くのは口を小さくすぼめて、そこから「スーッ」と細く。
最初は苦しいかもしれませんが、もしクラクラしたらやめる位の感じで、気楽にやってみてください。
とりあえず、日常生活に必要な深い呼吸を取り戻すところから始めましょう。
次回以降、この”3215方式”に代表される呼吸法を詳細いたします。
それではまた来週!よろしくEG!















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