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パーフェクトスーツファクトリー

2008年1月30日(水曜日)

四股四股した感触

カテゴリー: - リーダー @ 18時21分28秒

080115_1918~0002腕をつっかい棒のようにもちいて、股関節、ワキ腹、肩甲骨までをストレッチする。両肩を交互に入れる、これを行った後に四股立ちの姿勢に戻ると、上半身の力が抜けて、堅固な下半身にすっと乗る感じがつかみやすい

(齋藤孝「自然体のつくり方」より引用)

週は冒頭からまた紺野君にご登場いただいて、四股のバリエーションとしての「肩入れ」の例をお届けします。腰入れと肩甲骨の脱力が同時に行える優れた準備運動として、あのイチローがネクストバッターズサークルで行っているのが良く見られます。

今日はまた紺野君の身体を参考にしてもう一つ、「六方」を学びましょう。

080108_1919~0001かかとをつけて両足を90度に開き、右手と右足を上げ、ついで片足を下ろしたうえで、つぎにもう片方の足を上げるときに手をさっと入れ替える。腕は箱型をつくるように肘を外に張り、手は手のひらから指先までピンと張る。足は地面と腿とが水平になるように上げ、足先にも力を入れる。そして、一歩一歩、地を踏みしめるようにして移動していく。

(引用同上)

六方は歌舞伎の型であります。加藤茶の、「ヨーッ」とか言いながら片足立ちで見得を切って前進する歌舞伎役者の真似を知っている方は私と同世代以上か、そうでなければ余程のドリフマニアでありましょうが、加トちゃんのそれは「飛び六方」というこの六方の応用技です。

私は先週、発声のことを"寿司職人になる修行のようなもの"と申しました。対してこれら演劇ワークショップで学ぶべき四股や六方は、"自転車に乗る練習のようなもの"、つまり、それが出来る体力的条件が揃いコツさえ掴めば誰でも出来るようになるものです。この感覚、上達における過程は役になりきるという意味での演技そのものとほぼ同じですので、一見無関係のようでいて演技のための集中力を養っていることになるのであります。

良く日本舞踊などでスリ足で歩くときに「腰を入れる」と言いますが、四股も六方も、最終的には「腰を入れる」感覚を身に着けるためのものです。六方の場合は歌舞伎の基礎ですので、より応用的というか、より演劇の実践に近い練習です。極端には、

6、俳優は舞台上で四股のように立ち、六方のように歩くのが基本

といえるでしょう。近代演劇が大まかに言えばオペラと歌舞伎の発展系であることも考え合わせ、是非これをご納得して頂きたい次第であります。

さて、私はこのEG宣言の為に様々な練習法を自分の身体を使って実践しています。特に四股の継続の結果、4キロほど痩せました。

その割には、四股の基本的な方法を記すのを忘れていたのに気づきました。私が身をもって示したように、最終的には自然体を身に着けることが演技練習の肝であり、それは骨盤の動きとも大きく関わってくるため、当然ダイエット効果も期待できます。

080108_1911~0001足先を真横に向け、膝から下を地面に垂直に立てて、腰を充分に下ろす。そのさい、膝や上半身が前に倒れこみやすいので注意する。腿の裏側とお尻の筋肉を引き締め、足の指で床を掴むようにする

(引用同上)

特に四股は腰に寄りかからない立ち方を効率よく身に着けることが可能なため、腰に不安のある女性などにはお勧めです。まずは上の引用例を参考にして空き時間にでも行ってみることをお勧めいたします。

最後に少し余談を。当EG宣言でのトレーニングは是非万人にお勧めしたいですし、ここでダイエットダイエットと連呼して実際に効果が現れて話題にでもなれば今や巨大産業であるダイエットのこと、アクセス数も増え、私も自己批判ショーもウハウハ、ということさえ万が一ですがあるかもしれません。だがしかし、私はそこに大きな落とし穴があると見ているのです。

未だ俳優訓練において「太っているのは演技の妨げ」などとしてハードなトレーニングを課す風潮が残っていることに気をつけねばなりません。加えて、実際に演劇ワークショップとダイエットを結び付けている例もあるようです。しかしその考え方をただ推し進めてしまったら、"太った中年男性"役が出来る俳優や、もっと言えば"お相撲さん"役が出来る俳優はこの世から絶滅してしまいます。

まず演劇があっての俳優訓練であり、逆は有り得ないのだと肝に銘じていただきたい所存であります。また来週!チンコ!


2008年1月23日(水曜日)

発声だけは演劇ワークショップでは教えられない(1)

カテゴリー: - リーダー @ 17時09分59秒

常の演劇ワークショップなら真っ先に取り組むであろう発声。
これまではそんなことお構い無しに相撲部屋かと思うほど四股ばかりを踏んでまいりました。
当EG宣言は紛れも無く演劇ワークショップでありますが、これからも相撲部屋同様発声練習を取り上げるつもりはありません。

それは何故かと言うと、

5、例えるなら、演技そのものは自転車に乗る練習、発声は寿司職人になる修行

だからです。上手いことを言った感満載&自分でも癪に障る感満載の上の一行。これがただの例え話ではない証拠に、筆者が30も半ばになって声楽のレッスンを受け始めた頃の話をしましょう。

演劇経験10年オーバーの筆者は、当然発声においても、また歌唱力においてもいわゆる素人と呼ばれる一般の人々よりはプラスのアドバンテージがあるだろう、少なくとも理解は早いに違いない、その程度に考えておりました。

ああしかしだがしかし、それは大きな誤りであったのです。

声楽のレッスンの発声は、演劇の稽古で習うような、

「腹式呼吸を使って、姿勢を良くして、口を大きく開けて、はい、アー!」

というような簡素なものでは無かったのです。これだって全くの未経験者には複雑でしょうが、

「練習の最中に気をつけなければならないチェックポイントが、50は下らない」

これが、声楽を習い始めた頃の率直な感想であります。

それほどまで複雑な技であるのに、私と言えば、これまでの発声練習の中でその50以上のチェックポイントのうちの多くで、誤った身体の使い方をしていたのです。

鉄筋コンクリートで作られた建築物を連想して頂きたい。その数え切れないほど多数の骨組みを思い浮かべて頂きたい。その中の数本が曲がっていたり欠けていたりしたら、バランスを失って全体は歪み、最悪の場合崩壊してしまうでしょう。筆者が声楽を学び始めた当初はこのような状態だったのです。

最初から真っ直ぐな鉄筋を丁寧に間違いなく組んだ場合と、曲がりや欠けを含んだまま組んだあげく失敗して初めからやり直すのと、どちらが早く基礎工事が済むか。

筆者はそこのところを主張したいのであります。

紙面が尽きてまいりました。言い忘れましたが、この「発声だけは演劇ワークショップでは教えられない」は連載内連載です。飛び飛びにはなりますが、長期連載致します。連載にしてまで説得したい事柄である、と肝に銘じていただきたいのであります。発声練習を取り上げるつもりは無くとも、発声練習をしてはいけない、という説得は何度でもする、これが当EG宣言の基本姿勢であります。

080108_1919~0001ついでと思われては困りますが、いつもの紺野君にご登場いただき、練習の模様を一枚。

これは「六方」を踏んでいるところ。

六方とは、歌舞伎の基礎になる歩行法であります。
次回はこちらも解説していきたい次第であります。チンコ!


2008年1月16日(水曜日)

足の親指の力と内腿の力、そしてウコンの力とウンコの力

カテゴリー: - リーダー @ 18時31分31秒

は当ワークショップを通じて、大きく言えば

1、演劇(EG)とは時間と空間をコントロールする総合芸術である

ということをくどいほど繰り返し、手を変え品を変え述べていくつもりであります。

演劇(EG)は無限の可能性を秘めた芸術ではありません。ミュージカル(=普通の演劇(EG))の上演時間は2時間より大幅に長くても短くても別の何かになってしまいますし、舞台の狭さにおいてはいくら狭くても有り得ますが、ある一定より広くすることは不可能です。

その制約の中で、あるときはシルクロードを縦断したり、あるときは戦争をしたり、またあるときはゴドーを待ったりしなければならないのです。

設定の上では伸び縮み自在の世界を、ある一定の時間と空間の中で表現できるようにコントロールする設計図を作るのが脚本家や演出家の役割。
そしてそれを舞台上で体現するのが俳優の仕事なのであります。

果たして実際にコントロールするのに何が必要なのか、応用などを極力排除して基礎の基礎だけ抜き出すとすれば、

2、まずは「足の親指の力」と「内腿の力」を整える

ことになるでありましょう。「足の親指の力」と「内腿の力」、これが俳優が時間と空間をコントロールする二大武器なのであります。

そこで、前回も少し触れたお相撲さんの定番メニュー、四股(しこ)であります。

今回稽古に遅刻しなかったのは、以下の二人。

080115_1918~0001普段は遅刻というより子どもがいるため中々定時に来ることが出来ない小菅であります。彼は自己批判ショーで身体が一番柔らかいのでご覧のように股は悠々開くのでありますが、四股は基本的に足を平行にするためバランスを失い前や後ろに倒れそうになること林の如し。

080115_1918~0002いつも時間に正確な俳優にしては珍しい男、お馴染み紺野であります。彼はすでに何度も経験し、しかも毎日家で練習しているとあって慣れたもの。すでにバランスを失わないでこなせるのには、紺野が、

3、足の親指で地面をしっかり掴んでいること
4、内腿の筋肉で支えてバランスをとっていること

が理由であります。これは後に詳しく述べますが、俳優は舞台上でこの二つの筋肉を活用して主に歩き、それが出来るようになると時間と空間をコントロールできるようになるのであります。

もっと簡単なところでは、端的に素人に見えなくなります。

しかも四股は、発声に重要な股関節の柔らかさまで養ってくれるので、まさにこれ一石三鳥なのであります。

なおこれは余談ですが、足の親指と内腿を使って立ったり歩いたりするのは腰に負担がかからない故、腰痛などに悩む女性にも、四股はお勧めできる練習なのであります。

紙面が尽きたのでまた来週!チンコ!


2008年1月11日(金曜日)

はじめに

カテゴリー: - リーダー @ 13時12分50秒

めは軽いふざけのつもりでありました。同じ概念を指す「演劇」「ミュージカル」といった言葉が、予想以上に誤解を招く単語になりつつあったため、何とか新しい呼び名は無いかと思い、簡単に頭文字をとって演劇を「EG」と呼び始めたのであります。

これが存外しっくりきました。そして私は今年で演劇を始めて15年目を迎えます。その間に会得したものには、少なからずこれから演劇を目指す皆さんにとって有益な情報もあるかと感じておりましたので、それらを「EG」という概念にまとめて発表する機会を設けるのも悪くはないかと思った次第であります。

さらに、近頃自己批判ショーの稽古時間にどうしても余剰時間ができることに気づきました。あまり詳しく述べると本人らの名誉に関わるので軽く触れるに留めますが、俳優という人種の中には、どうしても時間を厳密に守れない体質の者がおり、すると自然稽古時間の初めの方が余ってしまうのです。

それが1〜2時間という長時間に達していることに気づいた結果、その時間を有効活用することを思いつきました。あるいは、きちんと早い時間に来ている人に得をしてもらおうと考えました。

本当に得かどうかはこれから次第でありますが、その時間にEGワークショップを開催することにしたのであります。

自動的に、その時間にちゃんと来てくれる方が参加者となります。

現在のところ参加してくれているのは、古河在住の、まだ20代前半のうら若き女優Kさん。今自分で書いて"うら若き"の"うら"とはどう若いことを表しているのか疑問に感じたものの、調べる気はさらさらないのであります。そしてもう一人、

080108_1910~0001参加者(2人ですが)を代表して写真はもうお馴染みの紺野君。私も含め、彼を「天才素人」等と言ってからかうこと火の如し。しかし自己批判ショー入団から2年目を迎え、こと演技そのものだけをとってみればもはや素人とは呼べない域に達しており、むしろ普段の方が素人っぽい有様であります。2人にまず取り組んでもらったのは…。

080108_1911~0001四股です。これを基礎練習として真っ先にやるのは今も昔もお相撲さん以外に思いつかないことでしょう。しかし私はこれまでのEG経験から、演技においてこれ以上の基礎練習は無い、との結論を導き出しました。

何故そう考えるにいたったかは、以降詳細に、あるいは小出しに明らかにしていくつもりであります。
また来週!チンコ! .


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