ホーム 初めての方へ チケット予約 お問い合わせ リンク集

昇降口
なまえ:

パスワード:


パスワード紛失
新規登録


パーフェクトスーツファクトリー

2008年10月9日(木曜日)

合同企画「リーダーズギキョクキャンプ(3)「ポニョの下の崖」」

カテゴリー: - リーダー @ 20時07分07秒

んな、「崖の上のポニョ」観たか?

いやな、何でこんな事をいきなり言うのかっていうと、前回学んだ、

43、演劇の基本は、2時間&三幕構成

がどうしてそうなのか、ってことを説明するには、、2時間&三幕構成を採用しなかった(あるいは効果的に使えなかった)失敗例をあげて説明するのが一番効果的だと思ったんだ。

で、その題材に最適で、かつ最近じゃ最もみんなが観てるだろうってことで今回は「崖の上のポニョ」を例にとって2時間&三幕構成の重要性を学んでいこう。

おっと、だからって何も「ポニョ」の悪口を言おうってんじゃないぜ。
オレだって金払って観に行ったくらいなんだから、楽しみにしてたし、単純に、宮崎アニメの最新作を観た、って意味じゃ楽しめたぜ。

だけど、これはオレだけじゃなくてみんな思ったんじゃないか?「え?これで終わり?」ってな。
そう、あの映画は明らかに短かった。
あとで調べたら1時間30分くらいだった。

まあ世の中には1時間30分くらいで済む劇作品もあるんだぜ。
だけど「ポニョ」はポニョと主人公の男の子との出会いと成長の物語であり、それぞれの登場人物(結構多かったよな)に背景があり、ちょっとしたどんでん返しというかひねりも何カ所かあっただろ?
最初から1時間30分に収まる内容じゃなかったんだ。

ちょっと具体的な話になっちゃうけど、クライマックス前あたりで、フジモトって男に、海の底みたいな所に連れてかれそうになるポニョをトキっておばあさんが必死になって止めるシーンがあっただろ?
でもあれ、何で止めようとしたんだか良くわかんないし、そもそも何でフジモトとトキさんが敵対してんのか良くわかんなかっただろ?

それは当然だよな。
だってその理由を示すシーンが無かったんだから。

そう、「ポニョ」には、そういう、登場人物の背景なんかを表現するシーンが、ちょうど30分ぐらい不足してたんだよ。

何でそうだったのかは良くわからない。
あれだけ経験豊富な監督だから、もちろん劇の基本が2時間&三幕構成だと知っていて、あえてそれを採用しなかったのかもしれない。
良くあるんだけど、あえてストーリーをわかりにくくする(つまり三幕構成(を知っていても知らなくても)を採用しない)ことで、作品の芸術性を高めようとするケースも考えられる。

だけど、もしそうだとしたら、単純にもっと登場人物を少なくすればいいし、その背景や人間関係も希薄にしてしまえば良いんだけどな。
表面的なことだけ盛りだくさんで、背景描写が抜けてるんじゃ、ストーリーなんかそもそも無くてもいいし、極端に言うと主人公がポニョじゃなくてもいい、って話になっちまう。

ああなった理由がはっきりしないから、オレは、何かビジネス上の問題が裏にあったのかもしれない、って思ってるんだけどな。
映画産業においては良くあることなんだ。
もしかしたらもっと単純に、時間が足りなかったのかもしれない。

確かなのは、あの映画が最も基本的な脚本技法を、何の理由か半ば無視してあるってことだよ。

もう一度言うぞ。

43、演劇の基本は、2時間&三幕構成

この仕組みが理解出来ていれば、どんな劇作品を観ても、健全な批評が出来るようになる。

例えば、2時間より極端に短ければ、そこまでの劇的な出来事が起こらず、登場人物もその背景も少なめの作品だろう、ってことが観る前にわかる。

それと、これはあとで学ぶけど、三幕構成を理解していれば、少なくとも「この脚本(劇作品)は、基本を外しているのかそうでないのか」って事がわかるんだ。

劇作品の批評ってのは、上に挙げたことを踏まえた上で「じゃあ、どうしてそうなのか」ってことから始まるんだ。

次回も、2時間&三幕構成について学んでいくぞ。
しつこいと思うかもしれないけど、もしかしたら演劇で一番大事なことかもしれないから、ついてこい!

みんな!最後まで良く頑張った!1,2,3,ヴィクトリー!


2008年9月29日(月曜日)

合同企画「リーダーズギキョクキャンプ(2)」

カテゴリー: - リーダー @ 18時17分41秒

41、小説と戯曲の最大の違い、それは、時間の制約の大小

41は前回の結論だったよな。今回のギキョクキャンプは、この結論を踏まえて、演劇に時間がどうしてそこまで大切なのか、戯曲執筆の面から学んでいくぞ。

その前提として、これまで時間に関して述べたことで脚本執筆に関係ありそうなことを、お馴染みの緑大字で復習しておこう。

15、演劇に限らず、劇作品の相場は2時間

17、演劇の2時間の中には、それぞれの時間帯に役割がある

18、脚本家とは、2時間の中の、時間帯における役割の設計図を書く製図家

大体こんな所かな。戯曲を学ぶと、これらがどうしてか、その理由が明らかになるって寸法だから、ついてこい!

さてその理由だが、一言で言うのは簡単だ。というか、もう何度も言っていることなんだ。

1、演劇(EG)とは時間と空間をコントロールする総合芸術である

からだな。これを、今回のテーマにふさわしく言い直してみよう。

42、演劇とは、時間と空間の制約が必ず存在する芸術である

これは意味としては解って貰えると思う。日常生活においても"無限の時間"とか"無限の空間"なんてのは有り得ないわけだからな。

で、何で時間においての制約がそんなに大事なのか、つまり何で演劇に限らず、劇作品の相場は2時間って決まってるのかって言うと、それはオペラとか能とかから始まった(本当はもっと古くからだろうな)演劇の歴史の中で、これが一番「生理的に、人間が劇作品を鑑賞出来る適度な時間」だと割り出されてきたからなんだ。

その結果、戯曲の用語でいう「三幕構成」が生まれた。これはどういう事かっていうと、

42、演劇とは、意識的であれ無意識的であれ、表面的にそう見えても見えなくても三幕構成

ってことなんだ。
自己批判ショーでいえば、ミュージカル路線が始まった「koga map」からは全部三幕構成だ。
全部表面的には三幕じゃないんだけど、構成として三幕になっている、ってことだな。
「コントくん」なんて8話あったけど、本当は三幕構成だったんだ。

43、演劇の基本は、2時間&三幕構成

これは特に大切だから、肝に銘じておいてくれ。
もちろん、基本だから応用も例外もあるぜ。もちろん3時間を超える演劇だってある。
ただそれでも、基本は基本だから、例え3時間の演劇であっても、2時間の演劇を作るように作るってことなんだ。

言い換えれば、例え3時間の演劇で、三幕構成を意識せずに(あるいは知らずに)作ったとしても、実は演劇は2時間&三幕構成における完成度で決定してしまっている、ってことなんだよ。

次回はそのあたり、しっかり学んでいくぞ!
みんな!最後までよく頑張った!1,2,3,ヴィクトリー!


2008年9月10日(水曜日)

合同企画「リーダーズギキョクキャンプ」

カテゴリー: - リーダー @ 21時27分07秒

あみんな!LEADERだ。
今回からは特別講習って事で、脚本、得に戯曲執筆を学んでいくぞ。

戯曲は文学だ。ってことで、オレLEADERが「リーダーズブンコキャンプ」から特別講師として招かれたぞ。「EG宣言」と「リーダーズブンコキャンプ」の合同企画って事でひとつよろしくな!

さて、オレはもちろん普段「リーダーズブンコキャンプ」の隊長なわけだが、自己批判ドットコムみたいな演劇のサイトでどうして本(小説)を読むのを勧めてるかっていうと、

40、脚本(戯曲)は、それそのものだけで独自の発展をしていない

からなんだ。

これじゃ何だかわかんないか?つまりな、戯曲ってのは、(舞台で上演される目的で書かれた)戯曲の存在だけで進化しているわけではないって意味だな。

たとえば、80年代に活躍した戯曲家は殆どベケットの「ゴドーを待ちながら」に、直接間接に関わらず何らかの影響を受けてると思うけど、「ゴドー」ってのはカフカという作家無しには生まれ得なかった作品だ。

こんなふうに、戯曲ってのは文学の発展に寄り添って存在しているわけだな。
戯曲だって文学だから当たり前と言えば当たり前なんだけど、演劇だけをやったり観たりしていると、その当たり前のことを忘れがちになっちまうんだ。

この事実は、観る側からは作品の善し悪しの判断に役立つ。
例えば、ある演劇を観て、どんな文学の流れにもあてはまらないような作品に感じたなら、それですでに"ものすごく画期的な作品"か"勉強不足の産物"かの二択に絞れるわけだ。

何だってそうだけど、演劇の勉強は演劇だけ観てりゃいいってもんじゃないよな。
戯曲が文学の範疇にあるもんなら尚更だろ?
だからわざわざコーナーまで設けてブックリードの訓練を勧めているわけだ。

もちろん、普通の文学(小説)にはない戯曲ならではの特徴もあるぜ。
当たり前だけど、それが"劇の上演の為に書かれてる"ってことだな。

だから、小説と戯曲の最大の違いを考えてみることで、戯曲ならではの執筆技法、書くテクニック、あるいは(俳優の立場では)戯曲を本格的に読む技術が学べるって寸法だ。

オレが考える、

41、小説と戯曲の最大の違い、それは、時間の制約の大小

またここにも時間がでてきた。このEG宣言じゃ主に時間の側面から演劇にアプローチしてるよな。
それが何でかっていう理由のひとつがこの41なんだ。

次回以降は演劇に時間がどうしてそこまで大切なのか、戯曲執筆の面から学んでいこう。

みんな!最後までよく頑張った!1,2,3,ヴィクトリー!


2008年8月9日(土曜日)

継続はカなり

カテゴリー: - リーダー @ 20時51分28秒

日は前回に引き続き、演劇の基礎練習を行う上での留意点、特に今回は最大の注意点をご説明致しましょう。

演劇日常基礎練習の基本として位置づけて頂きたいのは、3215の呼吸法であります。
何故ならこれは、効果的というだけではなく、やっているのが周囲の誰にもバレないからです。

39、演劇の基本練習の基本は、基本練習をやっていると周囲にバレないこと

なのです。ですから、私が俳優を始めたばかりの頃のように、河原などで大声で発声練習などしては絶対にいけません。

ましてや往来でエチュード練習などもってのほかです。
エチュードという練習そのものでさえ、まず一般の方の目に触れさせてはいけないかなり特殊な行為である、と肝に銘じておきましょう。
さもないと犬の散歩などをしている普通のお父さんなどに怪しまれ、悪くすると通報される事態に発展します。

やってしまってからでは遅すぎます。その前に世間一般の視点とはいかなるものかを思いだし、一目で「おや、あの子たちは演劇の練習をしているんだ、若いのに感心だねえ」などと思ってくれるはずがない、と強く心に刻み込んで頂きたい。

それに、通常は発声練習は呼吸法の練習で充分だからです。
まずは呼吸法を癖になるほど、習い性になるほど身につけることを心がけて下さい。
変な癖がつくと完治出来なくなる恐れがあるので、独学での発声練習はお勧めしません。
常にやれば呼吸法で充分です。

あとはこれまでに紹介した基礎練習である、四股や肩胛骨の柔軟、平均台、逆探知法などをTPOに応じて、また前回紹介した姿勢を正しくする工夫などを、周囲に変な奴だと思われない程度にやれば、早い人で1年内には演技の何たるかが体感出来るようになるでしょう。

私が何故、周囲に変な奴だと思われないようにするのをクドクドしく推奨するかというと、演劇をやっているというだけで人類のゴクツブシだと思われがちなうえ、変な奴だとまで思われては、いつまで経っても俳優の社会的地位向上は望めないからです。

演劇でなくても何でもそうでしょうが、お金の稼げない仕事に従事するには周囲の協力が不可欠です。
まず自分がイッパシの社会人であり常識人であること、劇団や演劇ワークショップは自己啓発セミナーとは違うのだ、ということを流布する努力を怠っては、円滑な演劇活動は望めないのです。

13、基礎練習は、いつでもどこでもやるし出来るから基礎練習

ということを強く認識した上で、毎日、癖になるまで、習い性になるまで継続することを心がけましょう。

最後に、今回のタイトルの「継続はカなり」の「カ」が、「ちから」という漢字ではなく、カタカナの「カ」である、という重大な事実をお伝えしておきたいと思います。

次回からは新たな練習法をご紹介しましょう!よろしくEG!


2008年7月23日(水曜日)

貧乏と猫背をなおせ

カテゴリー: - リーダー @ 21時48分39秒

演劇=貧乏

もしこれをお読みの貴方が赤字で記したようなイメージを持っているとすれば、貴方は一定の観察眼を持った方でしょう。

実際、私の周囲にも、古事記の人たちとの違いは家の有る無しだけ、というほどの生活をしながら「でも、いずれプロの俳優になる夢を叶えるんだ」と口には出さずとも(実際目の前で口に出されたら迷惑ですが)そうした志を胸に抱き、演劇をしながらアルバイトや派遣社員でようよう食いつないでいる方々が大勢います。

私は色々な人に怒られるのを覚悟の上で、また怒られたところで知ったこっちゃねえという思いも抱きつつあえて言いたい。

現在の演劇状況の中で演劇をやっているうちは永遠に貧乏のままであると。

それは何故かというと、アマチュアだから(売れてないから)貧乏なのではなく、演劇そのものにお金がかかりすぎるからなのです。

原因は色々ですが、その真実を全部書こうとすると一冊の本が出来てしまう上、万が一それが世に出ようものならいろいろな人に怒られてしまうので、怒られたところで知ったこっちゃねえという思いも抱きつつ別の機会にさせていただきます。

そのように色々お金がかかる演劇ですが、その中に「稽古場代」なるものがあります。

我々のような地方劇団であれば、自治体が運営する公民館等を借りるのでジュース代ほどで済むのですが、普通の劇団はおそらく一回の稽古でジュース代の10〜30倍ほどの金額を支払っていることでしょう。

劇団員全員が集わねばならないような内容の稽古(通し稽古など)であればやむなしですが、そうではない、例えば基礎練習などでも同じ金額を払わねばならないのです。

常にやるから基礎練習なのに、その常に何千円も払っていたのでは、貧乏も道理でしょう。

私とて演劇界の末席にいる以上、演劇をやっているかぎり一生貧乏、というこの現状に一石を投じたい。

特に、絶対誰かに怒られるのを覚悟の上で、また怒られたところで知ったこっちゃねえという思いも抱きつつ言いますが、貧乏劇団の演劇ワークショップに参加しただけで「稽古場代」なる名目で何千円もボラれる状況にも一石を投じたい。

せめて基礎練習くらいはタダで、つまり日常の生活の中でやれるようにしたい。

常々腹に据えかねていることなのでついつい長くなりましたが、以降数回にわたり、演劇の基礎練習を日常に取り入れる、名づけて演劇日常基礎練習の方法を紹介していきたいと思います。

今回は紙面が尽きてしまったため、手始めに姿勢の矯正と、腹筋、そして背筋を鍛える立ち方と歩き方、名づけて姿勢の矯正+腹筋+背筋を鍛える立ち方&歩き方をご紹介しましょう。

皆さんの中で、猫背(ネコーゼ)に悩まれている方はいらっしゃるでしょうか?

猫背の矯正法として、背筋を伸ばす、ということはよく言われます。しかし背筋をずっと伸ばしているのは意外と大変です。
気をつけていてもすぐにまたもとの姿勢に戻ってしまうでしょう。それは何故か。

実は猫背の多くは、背筋が曲がっているというよりは、手のひらが後ろに向いてしまっているからなのです。

試しにやってみてください。
普通に立っているときや歩いているとき、手のひらを前に、ちょうど握手をするときのような感じで若干前に向けてみる。
すると、自然身体が真っ直ぐに起き、腹筋で支えるようになります。

そうやって歩くと、握手をするような感じなので、何となく誰と会っても「やあやあ」みたいな感じなオープンハート的に振舞えるような気もするのではないでしょうか。
そういう(心を開く、というような)精神面も、演技の上では大切なのです。

これは腰痛にもいいので、腰の痛みに悩まされている女性なども試していただきたい。

次回以降、姿勢の矯正+腹筋+背筋を鍛える立ち方&歩き方も含めた演劇日常基礎練習の詳細を解説していきたいと思います。

また来週!よろしくEG!


2008年7月7日(月曜日)

生きるために呼吸しろ!

カテゴリー: - リーダー @ 18時05分42秒

080212_1942~0001は呼吸をやめるわけにはいきません。死んでしまうからです。

世の中にはその事実を利用して、意図的に人の呼吸を止めようとする悪い人もいますが、そんなことまでされるまでに人から恨みを買うことさえなければ、人はいつまでも呼吸を続けることができます。

どうせ一生付き合うものなら、もっと深く知り、活用していこうではありませんか。

私は呼吸のことを深く考えるようになってから「その問題、深く呼吸をすれば解決するのに」と感じる場面に度々遭遇するようになりました。

たとえば階段を登るって息がゼーゼーする。
すると皆さん「あー、年取ったなあ」「運動不足だなあ」などと残念そうにつぶやきます。
しかし私には、それは年齢や運動不足が主な理由ではなく、息を止めたまま階段を駆け上がったりするのが原因に思えます。
息を止めて普通に歩く局面すらそうないのに、階段を登るという運動を強いられた時に息を止めてしまってはつらいに決まっています。血圧も上がってしまうので良いことはひとつもありません。

試しにやってみてください。階段を上がる一歩ごとに「ハッ、ハッ」とマラソンのときのようにリズム良く呼吸(このとき、身体(特に肩甲骨)の力を抜いて上下するように)する。
すると、流石に全く息が上がらないことは無いでしょうが、ゼーゼーは大分軽減されるのではないかと思います。

それと、近年の傾向として、良く他人に対して「ムカつく」などと連呼する人がいます。
そういう人を見るたび「そんなこと言ってる間があったら深呼吸すればいいのに」と思います。
ムカついたことをことさら声に出して「ムカつく」などと当然のことを言ってみたところで人生において何かが改善されるはずはありません。
皆さんも日常で"ムカつく"局面があったらこれまでの解説を参考に3215方式を試してみると効果的でしょう。
だいぶ気分が和らぎ、集中力も増すため、「完璧な人間などいない」という当たり前の事実を思い出すゆとりが生まれることと思います。

3215方式は、公務員試験など人生の大勝負に打って出るとき、好きな人に会う前、嫌な人に会う前、などなど、何か緊張を強いる作業の前に行うと効果的です。

呼吸法が発声法の下支えになることは先に述べたとおりですが、究極的には、舞台などの緊張を強いる局面でリラックスして望む、また俳優に最も重要である"脱力"へと身体を向かわせる基礎ともなります。

呼吸法はかように重要である上に、いつでもどこでも強化ができるものです。3215方式などは練習していることが周囲に気づかれにくい、すなわち他の演劇の稽古に比べて他人に見られても全く恥ずかしくないものです。

ですからまずは呼吸法を日常行う演劇の練習の基本にしていただきたい。
3215方式を日々の生活に常に取り入れた上で、他の、比較的他人に気づかれにくい練習を常に行う。
これが演技力上達のコツと思います。

来週はそのあたりのこと、つまり日常生活でどうやって演劇の練習を続けていったら良いのかをお話したいと思います。

また来週!レッツ呼吸!よろしくEG!


2008年7月4日(金曜日)

さあ、吐いちまいな

カテゴリー: - リーダー @ 19時02分13秒

さんは呼吸をするとき、どんなことを考えていますか?

お読みの方全員の「何も考えてない」という声が聞こえてくるようです。
確かに、生まれてからこのかた、死んだ経験がない限り呼吸を欠かした事がある人はいないわけで、おのずと呼吸なんかもう慣れっこになっているでしょう。

しかし俳優さんにおいては「何も考えないで呼吸する」なんてことは言っていられないのです。

今取り上げている3215方式は、「呼吸の意識化」の練習と言い換えれることができます。
とりわけ、吐くときにこそ呼吸の意識化の肝がある

今回は15秒で吐く、それを意識する、その詳細を解説していきましょう。

私は前回、3215方式の"2″の部分、すなわち吸った息をキープすることを「短距離走や水泳の飛び込みの前の"よーい"のようなもの」と言いましたが、そこから"よーい、どん"の"どん"の部分に入ります、すなわち15秒で吐く部分です。

またあの、ヘタさを狙ったくせに微妙に巧いようなそうでもないような感じになってしまって気恥ずかしいあの図をごらんいただきましょう。

080626_0007~0001図の黒丸の部分、ここが丹田(TANDEN)という、吸った息を送り込んでキープするポジションです
ここに腹筋を使って息を送り込み、腹筋を使って丹田にキープすることは前回お話したとおりです。

では吐くときにはどうするか。そう、吐くときもこの丹田で捕らえた意識(ポジショニング)を離してはいけないのです。

吐くときもあくまで、"よーい"のときに腹筋を使って捕らえたこの黒丸(ポジション)から意識を離さない。

よーいの状態のまま、口をすぼめ、細くフーッという感じで15秒吐くのです。

この、ポジションを捉えて離さない、という意識は、逆探知法のときの力の抜き方とほぼ同じだと思っていただきたい。
捉えるポジション(=身体的な作業)の違いだけなのです。

TANDENポジションから意識を離さないで15秒吐ききったら、また3秒吐いて、2秒キープ…というように、これをできれば6回が1セットで行います。

これは、おそらくこれをお読みの方で発声練習をしたことがある方もいるかと思いますが、はじめのうちは15秒も、ましてや1セットは苦しくて出来ないと思います。
しかし出来ないからといって落胆する必要はありません。発声練習と呼吸の練習は別物だからです。
いや、本来であれば一緒なのです。といいますか、呼吸の練習があって発声練習がある、つまり一繋がりの練習でなければならないのです。

この3215方式は、正しい発声練習の下支えを作っている、と考えていただきたいのであります。

跳び箱の1段目が2段目の上に来ることは無いように、物事には段階があります。
発声練習をする前に、この3215方式を日常に組み込むことに成功させること、これが俳優としての上達の早道であると理解していただきたい。

来週は呼吸法の総論をお送りします!ではまた来週!レッツ呼吸!レッツEG!


2008年6月25日(水曜日)

TANDEN

カテゴリー: - リーダー @ 23時46分08秒

優とは呼吸をしなければ生きられない動物です。

と言うと、そんなの"俳優"を"人間"と置き換えても同じじゃないか、とお考えになるかもしれません。
しかしここで私が言いたいのは、集中力と発声の職人である俳優という職業に必要な下支えである呼吸のレベルが低いうちは、俳優として生きることが出来ない、という事なのです。

それを克服するための日々のトレーニングとして、当EG宣言が最も的確だと考えるトレーニング法3215方式を、今日も学んで行きましょう。

いつものように、トレーニング法をざっとおさらいしていただいてから、今回からは、3秒、2秒、15秒、それぞれのパートでの詳しいアプローチ法、注意点などを解説していきたいと思います。

まずは下の図をご覧ください。

080626_0007~0001出ました。またもやその辺にあったメモパッドに殴り書いて写メった図です。

前回はわざと下手に書こうとしたのに微妙に巧く書けてしまって何の笑いも起こせなかったので、今度こそはと思い、当HPの名物コーナー「一分一発撮り」にちなんで「一分一発書き」でトライしてみました。

どうだ、今度こそは…いや、そんなに言うほど下手でもないかな…まあ、前回よりはちょっと下手だけど…この絵の件に関しては、何度チャレンジしても中途半端な結果に終わるようです。

気を取り直して、解説に戻りましょう。つまり私がこの図を用いて何を伝えたいかと言うと、3秒で吸うときは、図のようなイメージを持つということであります。

念のため解説しますが、鼻から吸って、黒丸で表されたポジションに腹筋で息を送り込むようにします。

この黒丸の箇所を”丹田“といいます。おへその少し下あたりです。

肩甲骨とか腹筋とかと違い、丹田という人体の組織があるわけではないので、演劇の経験がある方でも丹田なる言葉は知らないと思います。
しかし日本人は昔からここを丹田と呼び、お腹に力を入れて肝を据えることを"丹田に力を込める"などと言い習わしてきたのです。

3秒を使って、丹田(にポジションをとって)を意識してそこに向かって息を吸うようにします。

そして次の2秒なのですが、これは、短距離走や水泳の飛び込みの前の"よーい"のようなものだと考えていただきたい。
この2秒は吸った空気をいよいよ吐く前の"よーい"なのです。

よーいのときは、先ほど言った"丹田に力を込める"という状態にします。
ここが一番大事なところで、"丹田に力を込める"、言い換えれば"丹田感覚"をマスターすることが、この呼吸法の目的といえます。

次はいよいよ15秒(吐く)部分を詳細に解説しますが、皆さんに置かれましては今のところは3215方式を繰り返し練習する中で、少しでも"丹田"を意識し"丹田感覚"を身につけるように心がけていただきたい。

私はたとえ乱暴とのそしりを受けようとあえて言い切りたい。
“丹田感覚"は"演劇感覚”なのです。

ではまた来週!レッツ呼吸!レッツEG!


2008年6月16日(月曜日)

レッツ!呼吸!

カテゴリー: - リーダー @ 20時23分49秒

んな、呼吸、やってる?

私はEGが執筆出来なかった多忙な仕事の間も、片時も呼吸を忘れたことはありませんでした。

吸うのも吐くのもどちらもです。いや、本当は忙しくて「あ、今呼吸しなきゃ」などと考えたわけではありませんが、呼吸のことを全く忘れていたとしても、無意識に呼吸をしていたのです。

「呼吸ってそういうもんじゃ…?」とお思いなのはごもっともです。

しかし、昔の人に比べて呼吸が浅くなってしまったのが明白な現代日本では、「あ、ちゃんと呼吸しなきゃ」と意識する、いわば意識的に呼吸することが必要であり、今回もその練習、および理論を取り上げていきましょう。

もしかしたら前回の私の言いつけを律儀に守り、3215方式を練習していた方もいたかもしれません。
今回は私がもし「笑っていいとも」の「テレフォンショッキング」に出ることがあるとして「タモリストラップ」が貰えるくらいの確立では稽古を継続してくれていた人がいたと仮定して、3215方式の効能をご説明しましょう。

この3215方式は演劇の練習として特に取り上げているのですが、演劇をやっていない人でも、演劇どころか自己批判ショーなんかに微塵の興味のない人でも、何か緊張を強いる作業の前とか、イライラしたときなどに、必ずやって欲しいのです。

何故なら、それがこの3215方式の効果がもっとも発揮される瞬間だからです。

みなさんも入学試験とか、あるいは好きな異性への告白とか、人生の一大勝負の時に深呼吸をした思い出が一度くらいはあると思います。
3215方式はその深呼吸のグレードアップバージョンだと考えて下さい。いっそのこと深呼吸Zとでも名付けたい気分ですが、ややこしくなるので止めておきます。

3215方式は、深呼吸のグレードアップバージョンを、最も効果的に継続的に練習する手段でもあるのです。

3215方式の解説として精神面の効能を真っ先に説明したのは何故かという理由を私は以前緑大字で述べています。

12、俳優とは、集中力と所作、そして発声とリズム感の職人

呼吸、特に3215方式は、この中でも特に集中力と発声を強化することにフォーカスした練習です。
発声については後で詳細に述べることにして、今回は集中力のことを特に述べているのです。

人生の大勝負の時に深呼吸をして落ち着かせるのは、要するに自分自身で集中力を高めているのです。
一時的にではなく一生深呼吸をしている状態にする、そうして集中力の職人になっていく、それが3215方式の目的なのです。

再度述べますが、前回の説明を参考にして、とにかくあまり深く考えずにやってみて下さい。
演劇における全てが向上するのは勿論、それ以外の何か、例えば好きな異性に告白する勇気などが湧くこと請け合いです。

しかし、いくら呼吸が深くなっても、告白した結果には無関係だということを念のため書き添えておきます。

さあ、レッツ呼吸!レッツEG!


2008年6月4日(水曜日)

呼吸、やってる?

カテゴリー: - リーダー @ 17時39分10秒

んな、呼吸、やってる?

私は今日も呼吸をたくさんしましたし、これからも生ある限り呼吸していきたいと思っておりますが、みなさん呼吸の調子はいかがでしょうか?

さて、その呼吸の練習法につきましては、現在のところ、3215方式と888方式の2種類を提唱していきたい所存です。

これは文字通り、3215方式が3秒で息を吸い、2秒キープし、15秒で吐く、888が8秒で吸って8秒キープし、8秒で吐く方式です。

3215のほうは教育学者・斉藤孝さんのブンコ、「呼吸入門」を参考にさせていただいております。

呼吸入門 (角川文庫 さ 42-3)
齋藤 孝
4043786034

対する888のほうは要するに2小節ずつで、より音楽的な練習となります。
ここでは、日常生活に必要な深い呼吸を取り戻すところから始めたいので、普段の生活に組み込みやすい3215方式を学んでいきたいと思います。

日常生活に組み込むと言いました。そう、もちろん演劇の練習なのですが、前回も述べましたように、多くの俳優さんの場合、俳優である以前に人間としての呼吸の浅さが問題であると感じますので、まず深い呼吸を営みとしていただき、発声や所作といった俳優仕事の下支えにしていただきたのです。

ですので、まずはやってみること、体感していただくことをお勧めしたい。繰り返しになりますが、

3秒で息を吸い、2秒キープし、15秒で吐く、とにかくこれをやってみる。出来れば5〜6回1セットで。
吸うのは鼻から。吐くのは口を小さくすぼめて、そこから「スーッ」と細く。
最初は苦しいかもしれませんが、もしクラクラしたらやめる位の感じで、気楽にやってみてください。

やるときの姿勢は?一日何回くらいやったらいいの?など様々な疑問がわくかと思います。
もしできるシチュエーションであればですが、

080212_1942~0002今日は小菅に登場いただきました(冬に撮影したので厚着です)が、このような姿勢で行うといいと思います。

手で四角を作ってお腹を押さえているのがわかると思います。
この四角の中央におヘソを持ってくるようにすると、ちょうど指先が"丹田"のところに当たります。

この"丹田"を意識するのがコツなのですが、そういったことを頭に入れながらも、これはとにかくやってみてください。
やっていくうちに、何となくコツを掴んでくるはずです。
重要なのは、そのコツを得る過程で考えたこと、感じたことは演技のときの身体技法に全てつながってくる、ということです。

普通、最初は吐くのに15秒も持ちません。そのときは10秒でもいいでしょう。
臨機応変に5秒刻みくらいで幅を持たせて、出来るところからやること。
ただし、3秒で吸って2秒キープは絶対に崩さないでください。

そして、いつやるかという問題ですが、これは出来るときにいつでもやること。
日常生活に組み込むことが大切なのです。以前も緑大字で述べましたように、

13、基礎練習は、いつでもどこでもやるし出来るから基礎練習

なのであります。呼吸法の更なる詳細、その意義については次回以降!
また来週!よろしくEG!


2008年5月27日(火曜日)

現代日本の呼吸事情

カテゴリー: - リーダー @ 17時36分17秒

のコーナーをお読みの方で、呼吸をしない人はいないと思います。

それ以外の、このコーナーを読んでいない大多数の人々もまた、このコーナーを読んでいる皆さんと同様に呼吸をしています。

ですから、このコーナーを読んでいようがいまいが、読んだ事によって「リーダーいいこと言うなあ」「リーダー素敵」と思っていようがいまいが、呼吸をしているという点についてだけは人類皆平等なのです。

私は以前、"呼吸法は俳優の訓練としては明らかに応用編"と書きました。四股などの"自然体づくり"が充分に習い性になってから取り上げるべきだと考えていたのです。

しかし最近、ある演劇を観ているときに、俳優さんたちのほとんどが、日常生活で必要とされるよりも浅い呼吸をしていることに気づいたのです。

理由ははっきりしません。もしかしたら稽古の進行状況などの要素が俳優さんたちに心理的な圧迫を与えていた(演劇においては良くあることです)のかもしれませんし、もしかしたら都会生活における何らかの要素、たとえば人いきれの中で常に生活しているとか、滅多に地平線を見ないことなどが、日常的に息をつめてしまっている原因になっているのかもしれません。

茨城県古河市という郊外の、さらに合併前には古河市ですらなかった辺境に住む私(人になんか滅多に会いませんし、地平線なんか毎日見ます)は、これまで環境によって呼吸事情にも違いがある可能性を考慮できていなかったのです。

またやはり、演劇訓練における、発声や活舌にまつわる齟齬も気になるところです。
結果的には発声や活舌は重要ですし、練習として判りやすいのでどうしても最重要と捉えがちになってしまうのですが、発声や活舌がいい、というのはお客さんの側から判断されるもので、良くするのはあくまで目的です。

目的としては大切なのですが、それが手段だと勘違いされてしまっている。
発声や活舌の練習を重ねれば即発声や活舌が良くなるわけではないのです。

この齟齬は、主に呼吸の理解に対する認識不足から来ているものと感じます。
つまり、

38、発声や活舌をするには呼吸が必要であり、当然良い呼吸があれば良い発声や活舌への下支えになる

ことが俳優の皆さんに広まっていないことから来ているのだと思います。

以上のような理由により、来週から呼吸法を取り上げていくこととしました。

とりあえず今週の皆さんは、

3秒で息を吸い、2秒キープし、15秒で吐く

これをやってみてください。出来れば5〜6回1セットで。
吸うのは鼻から。吐くのは口を小さくすぼめて、そこから「スーッ」と細く。
最初は苦しいかもしれませんが、もしクラクラしたらやめる位の感じで、気楽にやってみてください。

とりあえず、日常生活に必要な深い呼吸を取り戻すところから始めましょう。

次回以降、この”3215方式”に代表される呼吸法を詳細いたします。

それではまた来週!よろしくEG!


2008年5月21日(水曜日)

ドゥワハハハハハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時02分36秒


080426_2256~0003
番大切なことが説明できるようになるまでにこんなにもワハハが長くなるとは私も予想しておりませんでした。

今日は逆探知法で会得できる演技について、一番大切なことを、だからこそ出来るだけ簡潔に解説したいと思います。

まずはまたワハハハハ本舗の回を今一度ご参照いただきたい。
面倒な様でも、復習にはこの方法が最も手っ取り早いのです。

前回ワハハハハハハハハ本舗では、「胸の辺りにぼんやりと喜怒哀楽の"楽"の感情のようなものが意識できるところまで」を、ポジションという概念で捉え、それを保つことこそ演技における集中力の基本であることをご説明いたしました。

今回は、具体的に実践として保つ方法を学んでいきましょう。

確かに演技においては一番大切な部分ですが、逆探知法で学ぶ上では最も簡単に出来ます。
つまり、「胸の辺りにぼんやりと喜怒哀楽の"楽"の感情のようなものが意識できるところまで」きたら、それを球体のようなもの(ポジション)と捉え、ポジションを決め、それを崩さないように集中しながら顔及び身体の力を抜いていくだけです。

上手く抜ききれば、「顔は真顔なのに胸の辺りには"楽"のポジションがそのまま止まっている」という状態になり、それは結果「顔は笑っていないのに"楽しい"とは感じている」という、高度な演技をしていることになります。

これが何故逆探知法なる名前かというと、まさに名前のまんまなのです。
つまり、この逆の手順が、通常"演技"と言われる作業なのです。

逆ですから、ポジションを自力で出すのが本当は"演技"なのです。
しかし最初から自力では出来ないので、逆の道筋を辿っていただく。実感していただく。

よく"形から入る"などと言いますが、逆探知法はまさに形から入る練習です。
顔を極端なまでに、必要とされる感情のMAXまで持っていき、無理やりにポジションを作り出し、力を抜いて、通常演技をしている心理状態に持って行きます。

それと、力を抜く、という作業も大切です。
普通、演技をする局面になると経験者でもついつい力んでしまうものですが、脱力する過程でポジションを保つ訓練をすることで、

36、演技とは、脱力した状態で"ポジション"に集中している状態

であることを身に付けていただく狙いもあります。

この逆探知法を反復していただくことで、ポジションとはいかなるものか実感し、そしてそれをいかなる局面においても捉えて離さない集中力を是非養って頂きたい。

37、色々なパターンのポジションを持ち、それをずっと保っていられるのが上手い俳優

なのですから、再三繰り返しますが恥ずかしいなどと言わずに何度も練習に励んでいただきたい所存であります。

最後にもうひとつ、逆探知法の最大のコツをお教えいたしましょう。
それは、決して親の前ではやらないこと。

それではまた来週!よろしくEG!


2008年5月13日(火曜日)

ワハハハハハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時55分11秒

080426_2254~0003日は説得に熱中するあまり中途半端なところで終わってしまい、今日一日はそれを悔やみながら過ごしました。
この無念を一刻も早く晴らすべく、また諸事情で先週お休みしたこともあり、今週のEG宣言は初の二夜連続でお送りします。

まずはワハハハハ本舗の回を今一度ご参照いただき、逆探知法の手順を復習していただきたい。
本日は、"100パーセント以上の笑顔を作ったときに、球体のようなものをイメージする"と述べた、その意味と効果を詳細にご説明いたしましょう。

私は以前書きました。発声は声楽の先生に別に習うことをお勧めする理由として、"プロ野球の選手が「バッティングコーチ」「走塁コーチ」など分野別に習ってその総合力として"野球選手"であるのと同じ事"であると。

ただ、役割の違いはあるものの、最終的に野球選手として発揮する表現はみな同じですから、バッティングや走塁などそれぞれ違った練習においても、究極的には勘所というかコツは同じであるはずでしょう。

それと同じように、俳優に求められる要素である、発声や所作、あるいは演技も、究極的な勘所は同じであり、野球選手がそうであるように、それぞれ違う練習が相互に作用しあって、より優れた能力が発揮できるようになるのであります。

結論から述べますと、"球体のようなイメージ"という言葉で表現しているイメージ作りは、演技に必要なあらゆる要素においておおよそ共通のものでもあるのです。

今回はそれを発声と演技との比較で解説しましょう。

080513_2251~0001図は、発声(声楽)のときに求められるイメージ(の一つ)です。

皆さんお察しの通り、ちゃぶ台の上に無造作に置いてあったメモパッドにに殴り書いて写メったものです。
これが中途半端に上手くかけてしまい、下手で汚い絵を披露してここらで一笑い起こそうというケチな企みが海の藻屑と消えました。

黒い丸がイメージの上で集中すべき箇所、即ち"球体のようなもの"です。これを“ポジション”と呼ぶことにします。

周囲の矢印は、ポジションに集中している様子を表しています。

左にちょっと写っているのは私の親指です。

声楽の場合は、この"ポジション"を響かせるポイントとするのですが、位置は、状況によって異なります。
その人がソプラノなのか、あるいはアルトなのかといった、声質や高さによって変化させるのですが、演劇における発声の場合は、役柄や役の年齢等によって上下すべきでしょう。

実際の発声の際には、このポジションに息を送り込み、ポジションが下がったりしないように腹筋や背筋でキープします。

080513_2252~0001続いて、逆探知法で学べる演技イメージの図です。

ここではポジションを仮に胸付近にしていますが、ある程度は自由で構いません。もしかしたらヘソの下辺りの方がしっくり来るかもしれないので、色々試してみてください。

演技の場合は、この"ポジション"が、「胸の辺りにぼんやりと喜怒哀楽の"楽"の感情のようなものが意識できるところまで」と書いたその意識になります。

このポジションが上下したり変化したりしないように集中力を用いてキープします。

イメージ作り、そしてそこに向かっての集中力という点では、発声も演技も殆ど同じであることがお判りでしょうか。
もちろん必要とされる作業には細かな差異はあるものの、どちらの場合にも肝心なのはポジションをキープし続けることです。

この"ポジション"はイメージ上の問題であり、だからこそ集中力がものを言うのです。

35、俳優とは、集中力によってイメージを保つ職人である。

と、最後は緑大字で決めて、また来週!よろしくEG!


2008年5月12日(月曜日)

ワハハハハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時11分56秒

080426_2254~0002というのは、案外一対一で話す機会は無いものです。

何出身でもなくただ演劇がやりたいという一心で旗揚げされた自己批判ショーの主宰である私は、小劇場のルールを全く知らず、いや小劇場にルールなどと云うものが存在することも知らず、第1回公演の際、劇場事務所で小屋主の方に怒られたことがあります。

大人になってからあそこまで怒られることはそう無いものですが、個室で一対一でしたので、相手の言うことを誤解することなく理解できたことを覚えています。
今から思えば、あの経験が無ければ現在の自己批判ショーはもっと違ったものになっていたかもしれません。

ワークショップと全く関係ない話なようですがまあ聞いて頂きたい。
この「ワハハハハ本舗」シリーズで取り上げている"逆探知法"にまつわる演技の話は、それこそ一対一で話さなければ理解しがたいものです。

それは、主にイメージと集中力における話だからであります。
つまり、俳優の生理、精神的なものにまつわる話なのです。
前回緑大字で強調したように、

34、演技とは、自分の精神的・生理的な問題を、技術に変換させること

なのでありますから、同じ演技技術とはいえ、単なる身体技術である四股や所作などとは自ずと語り口も変わってきます。

幸い、このオンラインワークショップは、実質一対一のやり取りです。
演技にまつわるイメージと集中力の問題を、誰にも邪魔されること無く噛んで含めるように説得することが可能です。

まさに、私が個室で怒られた13年前のあの夏の日のように、一対一で貴方に問いかけることが出来るのです。

ちょっとした誤解が大きな語弊を生む為、このワハハハ本舗シリーズは、以降ある一点を詳細に説明したり、あるいは思い切って中断したりしながら、無期限連載でお伝えする決意をここで申し上げておきたい所存であります。

さて長かった決意表明が終わったところで、2回分戻ってワハハハハ本舗の回を今一度ご参照いただき、逆探知法の手順を復習していただきたい。
その解説において私は、

100パーセント以上の笑顔が作れたら、胸の辺りにぼんやりと喜怒哀楽の"楽"の感情のようなものが意識できるところまで静止し、こみ上げてきたなら、それを逃さないよう捉え、その湧き上がって来た"楽"の感情を、球体のようなものにイメージし、その形を崩さないようにします

と書きました。

実は、これは特に球体で無くてもいい。そのとき表現するよう要求されている感情によって、角ばっていても、色が付いていてもいい。

大切なのは、そこにグッと集中し、出番の間それを逃さないようにすることなのです。

ちょっと長くなってきたので、今週はここまでにしましょう。来週も微に入り細に入りよろしくEG!


2008年5月4日(日曜日)

ワハハハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時50分56秒

080426_2254~0001私が今現在最も恐れている事、それは、こんな顔を全世界に晒したのに逆探知法の何たるかを皆様に理解して頂けない事であります。

それでは全くもって恥のかき損になる為、この項に関しては殆ど脅迫に近いくらいの鬼気迫る勢いで解説させていただきますので、皆様もそのつもりでよろしくお願いいたします。

詳細を解説する前に一つ注釈を。
当EG宣言では、以降、演技、と云ったら、役になりきる、という意味での演技そのもの、つまりこの逆探知法で学べるような、演技のイメージ作りのみを指すことに致します。
その他、発声や所作などを含めた全体については、仮に俳優仕事と名づけておきたい所存であります。

さて、この逆探知法、写真だけでは単なるアホ顔にしか見えませんし、もしかしたら私のことを本当にアホだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
仮に私が単にふざけているのであればアホのそしりを甘んじて受けましょう。しかし実際には私はこのとき真剣そのものなのです。

何故ならこの段階から既に、演技における本質の一つを体現しようとしているからであります。
その本質とは、

31、演技とは、舞台上で自分のイメージ以上(予想外)の事を常に行うもの

これを、逆探知法の初期段階である、自分の思う100パーセント以上の顔をする努力によって鍛錬出来るという、今回はその解説をいたします。

私は前回、

“演者が100パーセント以上やりきっているかどうかを判断し、そうでなければ「もっともっと」などと声をかけてあげたり、その結果巧くできたら笑ってあげたりするのがポイントです”

と書きました。何故またここに繰り返し掲載したかと云うと、このやりとりに、演技指導の基本が詰まっているからなのです。
つまり、

32、演技指導の基本、それは、俳優が今行っている心理表現の100パーセント以上を要求すること

なのです。これを俳優の側に立って記せば、

33、演技とは、演出家が要求する方向性の100パーセント以上を表現することに尽力するだけ、それが基本

となります。

ここで云う"100パーセント以上"とは、「自分(俳優)が出来ると考えている範囲以上(以外)」と云う様な意味であります。

以上を簡単にまとめるならば、「それ、100パーセント以上やって」と云う風に指示し、俳優はそれに答えていく、このやり取りが演出(演技指導)の基本で、それ以外の諸々は応用ということになります。

ですから俳優の皆さんにおかれましては、この最初の段階で"100パーセント以上の笑顔"と要求されたときに、それをする努力が出来ないと、演技の基礎にも入れず、その俳優さんには演出家から演技指導がそもそも出来ないことになってしまいます。

これが出来ない俳優さんは、恥ずかしさ等を理由にすることが殆どですが、そもそも"恥ずかしい"というような自意識が介入してしまうことが、俳優にとっての技術不足になってしまうのです。
これを本質論的に言い換えるなら、

34、演技とは、自分の精神的・生理的な問題を、技術に変換させること

となり、このことは以後も肝に銘じていただきたい所存であります。

080426_2254~0001私だってこんな写真を何度も見せるのは恥ずかしい。しかし私はこの写真を見返して、自分でも見たことの無い顔に驚きました。こんな顔が出来るとは想像していなかった。

ということは、私はこの写真において演技の基礎技術を発揮していたことになります。

確かにこんな写真を披露し、結婚適齢期を過ぎようとしている男子としては致命的に恥ずかしい思いをしておりますが、この顔の酷さはあくまでも演技技術の問題であり、私が演技の基礎を技術として身につけている証明写真でもあるのです。

ですから、私はいつだってこれくらいの顔は出来ます。いや、この次はもっと凄い100パーセント以上を見せたい。
それは、私はまだまだ俳優としての基礎力を高めたいと思っているからなのです。

逆探知法解説、続きはまた来週!よろしくEG!


2008年4月26日(土曜日)

ワハハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時53分06秒

は前回書きました。

「どんなときでも瞬時に大笑いの状態に持っていくことが出来る、それが"充分な演技者"としての資格と言い換えることも出来ましょう」

と。さて問題は、それが実際に行えるようにするにはどうしたらよいのかであります。

それは言い換えれば、発声や所作などの複雑な作業を省いた、演技そのもの、すなわち感情表現を学ぶことでありましょう。

その為に私がやはり、今より少しは異性に好感を持たれた頃、すなわち20代半ば頃に編み出した練習法をご紹介いたします。

名づけて逆探知法。その名の通り、演技(感情表現)イメージを、通常とは逆の行程で探るものであります。

その作法を以下写真を交えてお送りいたします。

080426_2254~0001せっかく少し好感を持たれてもこの顔では台無しであり、こんな所は決して好きなあの子に見られたくありませんが、私は何もふざけているのではありません。

まずこうした顔を作ることがこの逆探知法の肝となるので、仕方なくやっているのです。

まず形からで良いので、いやむしろまずは形から、このような100パーセント以上の笑顔を作ります。

このとき、見ている周囲が思わず笑ってしまうくらい大げさに、顔の筋肉がプルプル震えるほど行うのがポイントです。
文字通り100パーセント以上の力をここで発揮するのです。

080426_2254~0002もちろん人前でこんなことをするのは誰だって恥ずかしいものです。私だって30も半ばになって何故こんな顔を全世界に向かって公開しなければならないのかと己を呪います。
しかし私はそうまでしても皆さんに演技の本質を学んでいただきたいのであります。
その一心から恥を忍んでこんな顔をするのです。断じて好きだからでは無いのであります。

皆さんにおかれましても、恥ずかしいという感情が人として正常であるとの認識の上で、あえて100パーセント以上の力で笑顔を作っていただきたい。

080426_2254~0003このとき演出家や他の人々は、呑気に眺めていてはいけません。
演者が100パーセント以上やりきっているかどうかを判断し、そうでなければ「もっともっと」などと声をかけてあげたり、その結果巧くできたら笑ってあげたりするのがポイントです。

演者は、100パーセント以上の力まで持ってこられたと判断したらそこでストップ。
顔の筋肉が痛くなることでしょうがここでしばらく持ちこたえます。

080426_2254~0004どこまで静止しなければいけないかというと、胸の辺りにぼんやりと喜怒哀楽の"楽"の感情のようなものが意識できるところまでであります。

中々難しいのですが、顔はこれ以上ないほど笑っているのですから、理屈の上では自然と可笑しみがこみ上げてくる筈です。

こみ上げてきたなら、それを逃さないよう捉え、その湧き上がって来た"楽"の感情を、球体のようなものにイメージし、その形を崩さないようにします。

そこまで来たら、今度は顔や身体の力をゆっくりと抜いていきましょう(5枚の写真を上から参照して下さい)。

このとき重要なのは、力を抜きながらも、胸の辺りにイメージした"楽"の球体を、そのままの形に保つことです。力を抜いたからといって、その球が小さくなったり、形が崩れたりしてはいけません。

「イメージはそのまま、しかし力は抜けてきている」というのがポイントです。

080426_2256~0003完全に力を抜け切りました。当然顔の形上は真顔になりますが、イメージしていた球体はそのまま保ってください。

すると、写真では判りにくいのですが、顔は真顔なのに、目は笑っているような、上手くいけばそういう風に周りからは見えます。

これはつまり結果的には、「顔は笑っていないのに"楽しい"とは感じている」という、高度な演技になっているのです。

勘のよい方ならここまで説明しただけでこれがどの様な練習なのかお分かりいただけたことでしょう。

詳細は次回以降に解説いたしますが、今回は逆探知法の意図を簡単に説明することによって、演技の本質を大まかに述べて筆をおきたいと思います。

29、発声や所作などの複雑な作業を省いた、演技そのもの、すなわち感情表現とは、逆探知法(など)で具現化できる胸の辺りの球体(演技イメージ)を作り上げること

30、舞台上で俳優は、その胸の辺りの球体(とイメージされたもの)を一時も手放してはならない。それが、"演技に必要な集中力"である。

ではまた来週!よろしくEG! .


2008年4月16日(水曜日)

ワハハハハ本舗

カテゴリー: - リーダー @ 23時54分52秒

元限定のプチ著名人である私は、それまで私の正体を知らなかった人(通っている美容院の人など)に、私のあずかり知らぬどこかで俳優であることを知られてしまうことが良くあります。

すると相手は決まり文句のように「俳優さんだなんて凄いですね〜」などと、感心半分軽口半分のようなことを口にするのですが、私はそういうときに必ず「そんなことないですよ、俳優さんなんて貴方にも今すぐ出来ますよ」という風に返します。

するとまた相手は決まって「また〜私なんか絶対無理ですよ〜」などと言うのですが、私は決してお追従でも己を卑下するのでもなく、本心から誰でも、明日からでも俳優になれると思っているのです。

5、例えるなら、演技そのものは自転車に乗る練習、発声は寿司職人になる修行

以前私はこう言いました。これも本気です。難しいのは発声など、演技に必要な他の要素であり、演技そのもの、つまり、いわゆる"役になりきる"という、演技だと一般的に考えられている集中力のみの問題に限れば自転車に乗るくらいのコツで出来るものです。

26、役になりきる、という意味での演技そのものは、集中力のコツの問題

なのであります。修練ではなくコツですから、コツさえ掴めば誰でも演技はできる、ということなのです。

しかし、単に演技が出来る、というレベルと、プロの俳優さんとはそのレベルに差があるのもまた事実です。

27、単に演技をする人とプロの俳優との差は、単に自転車に乗れる人とプロの競輪選手くらいの差がある

のです。ではプロの俳優のレベルになるにはどうしたらよいのか?それは、

12:俳優とは、集中力と所作、そして発声とリズム感の職人

と先に述べたとおり、集中力のコツを身に着けるのと同時に、または別に、所作、発声、リズム感を養う必要があるのです。

ところで、実はこの"単に演技が出来る人"と"プロの俳優"とを簡単に見分ける方法があります。

それは、大笑いさせてみることです。

「もうやめて〜お腹痛い〜!」というくらいまで笑った経験は誰でもあると思います。そういう瞬間を想像してみてください。そういうとき人はどういう状態か。お腹痛い。そう、腹筋を使っているからです。
腹筋が波打つように動き、普段とても出さないような大声が出てるのに喉を痛めたりはしないはずです。
腹筋に限らず、恥も外聞も忘れて大口を開け、顔の筋肉を動かしていることでしょう。

実は、以上のことは、演技の際の理想的な状態なのです。大笑い、という状態には、演技に必要なエッセンスが余らず詰まっていると言えるでしょう。

どんなときでも瞬時にこの状態に持っていくことが出来る、それが"充分な演技者"としての資格と言い換えることも出来ましょう。

しかし、目の前で福田総理大臣が思いっきり転んで歯の裏が見えたなどの最高に面白いことがいつでも起これば良いですが、いざ演技で大笑いを要求されたときには、何も面白い気持ちにはなっていないことが殆どです。

それどころか、実際その時には大勢のお客さんの前であり、その上あらかじめ台本に書いてあってこれまで何度も練習してきたことしか起こらないのです。

そうした状態で、いかに大笑いできるような状態に己を持っていくか。
その最短距離と思われる方法を、次回以降取り上げていきたいと思います。

また来週!よろしくEG!


2008年4月9日(水曜日)

危ない橋を渡れ(final)「渡りきった!」

カテゴリー: - リーダー @ 23時31分38秒

080304_19216回という、当初の予定を大幅に超えた長編となった「危ない橋を渡れ(平均台)」編。
もちろんこの練習が俳優にもたらすものの大きさを微に入り細に入り伝える意図があるのですが、その思いのあまり、煩雑になってしまったことは否めません。

伝えたいことはほぼ言い尽くしたこともあり、ファイナルとなる今回は、これまで平均台で述べたことをまとめ、この回さえ読めばその意図するところがほぼ伝わるようにいたしました。

じゃあ今までの5回は何だったんだ、というお怒りが聞こえてくるようですが、それはそれで私の努力の結晶と捉えていただければ幸いであります。

さて、私は何度でも繰り返します。

1、演劇(EG)とは時間と空間をコントロールする総合芸術である

と。そして平均台とは、俳優サイドから最短でこの境地に至るために私が編み出した練習法なのです。

私はその理論の大要を、これまでの連載を通じて緑大字で記してきました。またここに採録しておきましょう。

15、演劇に限らず、劇作品の相場は2時間
16、ミュージカル(普通の演劇(EG))が2時間、それ以外の特殊な演劇(ミュージカルではない演劇、ストレートプレイなど)が1時間半、ストーリーの無いコントオムニバスのような作品は50分が良いとされている
17、演劇の2時間の中には、それぞれの時間帯に役割がある
18、脚本家とは、2時間の中の、時間帯における役割の設計図を書く製図家
19、演出家とは、2時間の中の、時間帯における役割の設計図を元に実際の演劇を組み立てる現場監督
20、俳優とは、今舞台上で何が行われているのか、お客さんにハッキリ分かって貰うための存在であるために稽古をする
21、脚本家が2時間の中の時間帯における役割の設計図を書く製図家、演出家がそれを元に実際の演劇を組み立てる現場監督、俳優は建築材
22、演出家は最低でも、ある一定の範囲内で、決められた動きを正しい秒数で動ける俳優をキャスティングする
23、演出家(現場監督)の一番重要な仕事、それは、狙いのある各シーンを計画された時間通りに終わらせ、その総合である(ほぼ)2時間をピッタリ終わらせること

まとめてお読みいただければわかるように、私は演劇というものを、演技者の側からわかりやすく理解するために時間の観点からアプローチしています。
むろん演技にとって時間だけが大事なのではありません。あくまで演技初心者が演劇全体とはどういうものか捉えていただくとっかかりとして、

24、劇全体の時間が有限である以上、その中で俳優に与えられた時間も有限である

ことを理解していただく。その上で、

25、俳優に必要なのは、有限の時間を動きの中で(動きながら)正確に把握し守る能力

なのです。ですから、訓練としては平均台のような、動きの時間を計測する練習が必要なのであります。

やっと危ない橋を渡りきったようです。あまりにも長かった平均台の練習についての解説は以上になります。

最後に付け足すとすれば、25は大雑把に言い換えればリズム感のことです。音楽を経験した人が比較的演技の上達が早いといわれるのは、このような俳優とミュージシャンには必要条件における共通性があるからなのです。

次回からは、演技を時間以外からアプローチしていく別の練習を取り上げたいと思います。
それでは来週も、よろしくEG!


2008年4月4日(金曜日)

危ない橋を渡れ(5)「そろそろ渡りきれ」

カテゴリー: - リーダー @ 18時54分22秒

080304_1920ろそろ何故平均台(のような練習)が有用なのか、という核心に迫っていかないと、読者の皆さんにも飽きられてしまう、と私いささか焦り気味であります。ワークショップにとって飽きられてしまうことほど致命的なことはない。男女の関係と同じなのであります(演劇(EG)と違って経験が浅いので良く知りませんが)。

間が開いてしまったので思い出していただきましょう。私は前前々の回において、平均台の上を歩くことそのものよりも"秒数を合わせる"行為にこそ、その謎を解く鍵がある、と書きました。
さらに緑時で

17、演劇の2時間の中には、それぞれの時間帯に役割がある
18、脚本家とは、2時間の中の、時間帯における役割の設計図を書く製図家
19、演出家とは、2時間の中の、時間帯における役割の設計図を元に実際の演劇を組み立てる現場監督

と主張しました。これを元に結論から先に述べたい。

21、脚本家が2時間の中の時間帯における役割の設計図を書く製図家、演出家がそれを元に実際の演劇を組み立てる現場監督、俳優は建築材

俳優だけ一言で終わってしまっていますが、それはこのワークショップ自体が良い建築材であるためにはどうしたらよいか、がメインテーマであるためです。

そう、平均台とは"秒数を合わせる"行為を通じて、2時間の劇という建築物に対して良い建築材であるための訓練であるのです。

多くの場合、配役の権限は演出家にあります。上の例えで言えば現場監督が建築材を選ぶ、ということになります。それを踏まえてこれまでの例えを総合的に全て言い換えると、

22、演出家は最低でも、ある一定の範囲内で、決められた動きを正しい秒数で動ける俳優をキャスティングする

ということになります。

それは何故なのか?そろそろ紙面が尽きそうなので、今回は一番単純にして重要な一点だけを挙げて終わりにしたいと思います。

何故平均台の練習は"秒数を合わせる"事が重要なのか、何故それが、俳優が良い建築材たる条件なのか、またそれが出来る俳優が何故優秀とされるのか、それはつまり、

23、演出家(現場監督)の一番重要な仕事、それは、狙いのある各シーンを計画された時間通りに終わらせ、その総合である(ほぼ)2時間をピッタリ終わらせること

だからなのです。他のどんな仕事でもない、これが一番重要。
だから、俳優には秒数を合わせること、言い換えれば観客が存在する中でのリズム感が必要なのです。

今また重要なことを言いました。俳優の最重要要素の一つ"観客が存在する中でのリズム感"、これについてもまた次週以降!よろしくEG!


2008年3月26日(水曜日)

ワンコイン・ワークショップ生徒さん募集予告

カテゴリー: - リーダー @ 20時14分56秒

量が膨大になり、もはや読んでいただけているのか疑わしくなった平均台の項を一度お休みして、本日は募集をしたいと思います。

元々常時週2回という、やりすぎとも思えるような自己批判ショーの練習が、今月から私の脚本執筆やHP毎日更新などの事情から週1回になりました。

すると心配されるのが、このEG宣言の存続であります。

自己批判ショーのメンバーが来る前の1時間ほどを利用して行っていたEGワークショップまで無くなってしまうため、ネタ不足に陥る可能性があるのです。

それと、これまでもこのEGワークショップに参加したいという意思を見せてくださる方がいらっしゃいました。
しかし自己批判ショーの練習時間を借りて行っていること、また自己批判ショーの練習が始まれば終了となってしまうこともあり、その方たちにとって中々来辛いといった事情がありました。

そこで現在、自己批判ショーの稽古とは別枠でEGワークショップを行うことを計画しております。
すると当然、生徒さんが必要となりますので、この場を借りて募集をしたいと考えております。

本来であれば、私のような一介の小劇団の主宰ごときが条件を提示するなど厚かましいにもほどがありますが、

1、茨城県古河市内に通える方
2、ワークショップ一回につき100円が払える方

という一応の要項を満たした方を募集いたします。

古河市内、というのは、決して在住している私が楽をしたいのではなく、このワークショップに地域性を持たせたいためであります。

2については、まだ場所は未定であるもののワークショップを開くとなるとどこかその辺の道端でやるわけにはいきません。しかるべき屋根のある場所を借りなければならないのですが、その借り賃の足しであります。

この条件により命名されたワンコイン・ワークショップ。
日程などが決定しましたら正式に募集いたしますが、参加者が0じゃない、という私自身の喜びのため、現時点でも仮募集しております。
体験的な参加も歓迎いたしておりますので、気軽にご応募くださいませ。
一回だけなら100円なので懐も痛まないかと思います。

安すぎてかえって心配?ワンコイン・ワークショップ応募はこちらのフォームにお名前とメールアドレスを

仮に誰からも応募が無くても、泣きません
.


71 queries. 0.455 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress

前月2008年 11月翌月
1
2
3
「草の民」勝手に稽古場日記
4
「草の民」勝手に稽古場日記(演技編)
5
6
7
明日は市民劇本番
8
9
市民劇「草の民」ご来場の方もそうでない方も有難うございました!
10
11
12
平日保険日記「何で公演終わってからの方が忙しいんだ」
13
14
15
16
保険日記(6)「正しすぎる発言」
17
18
19
5分で日記を書く!パート…パート…いくつだっけ?
20
21