「草の民」勝手に稽古場日記(演技編)
俳優として参加しているので全部「演技編」である気がしないでもないですが、とりあえず書き出します。
「草の民」の舞台が、日本に律令制が確立した頃、すなわち「万葉集」の時代であることは前回書きました。
そのくらい昔になると、時代考証は不可能と言われています。もはや誰にも何が正しいのか判らないからです。
その頃の人々が何を食べ、何を着、何を考えていたかなどは憶測に限りなく近く、したがって役作りにおいてその方面からのアプローチは不可能です。
二カ所ほど殺陣のようなシーンがあるのですが、その時代に殺陣として表現出来るような剣術が存在したかも定かでないので、稽古場でも、(戦国時代から江戸時代にかけての)いわゆる時代劇を参照にするような、あるいはそうでないような形で作っていくしかないようで、そのあたりも役作りの難しさに拍車をかけています。
それに、当時の人々は現在のような、「無理に働かされるのはイヤ」とか「殺し殺されるのはイヤ」といった感覚を持っていなかったかもしれないし(日本に"人権"という概念が導入されたのは江戸末期)…などと考えはじめるとキリがないので、そこは内容と照らし合わせたバランスを良いところでとるしかない、と割り切っています。
バランス、という点で悩みものなのが、"時代もの""脚本の内容""会場の広さ"といった諸処の条件における演技の力点です。
すでに劇場入り(といっても、自宅から車で10分足らずの場所)しており、知ってはいたものの改めてその会場の広さに驚きました(写真参照)。
普段小劇場でやっている演技とは自ずと変えなければならない、という実感と共に、ゆっくりやるように、という指示もあり、ある程度"形"のような演技を心がけていたのですが、後日また違った方面から「もう少しリアルな方向で」といった指示も出ました。
後で考えてみると、形を心がけていたときは、周囲の演技とのバランス、という観点が全く頭から抜け落ちていました。
現在は会場の広さにおける伝わりやすさと周囲との調和とのバランスをとっているところです。
本番に向けての準備としては、段階的にはちょうど良いんじゃないかと思っています。
リーダーの文章を良く読まれる方においては、この稽古場日記に面白可笑しいところが全くない、と感じる方もおられるかと思いますが、それは"自己批判ショーの人々だけではなく色々な社会人が参加している"ことによるもの、すなわち"他の参加者に気を遣っている"ことによるものとご理解頂きたい。リーダーだって一応大人なのです。チンコ!

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